本記事では、インテリアコーディネーターの出題傾向をみてみるにゃん。
結構出題範囲が広く大変そうぎゃお…
インテリアコーディネーター試験の1次試験はマークシート方式択一方式で50問出題されます。
合格ラインは具体的に公表されていませんが、70~75%と言われています。
また、1次試験の合格率は34.1%(2020年度)となっており、2次試験合格率58.0%(同年度)に比べて低い結果です。
そのため、1次試験の学習目標をしっかりと立てることをオススメします。
過去問演習で十分な正答率を取れるようになってから2次試験の準備を始めましょう!
その他オススメの参考書などは以下の記事を参考ください!
出題範囲と出題数
出題範囲
出題範囲は、インテリア産業協会のHPにて「試験審査の範囲」として以下のように記載されています。
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- インテリアの歴史に関すること
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
全出題数50問の内、大体、1⃣~5⃣で25問、6⃣~9⃣で25問出題されます。
1⃣~5⃣まではインテリア・インテリアコーディネーターについての基礎知識、
6⃣~9⃣は、より建築系・実務的な出題がされます。
出題数
各出題範囲の出題数をみてみましょう!
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- 1~3問
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- 2~4問
- インテリアの歴史に関すること
- 2~4問
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- 6~10問
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- 10~12問
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 11~12問
- 環境と設備に関すること
- 8~9問
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- 2~3問
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
- 2~3問
例年、多少のバラツキはありますが、満遍なく出題されています。
出題数が多い範囲は、その中でも単元が分かれており、大抵参考書2冊分の試験範囲となります。
しかし部分点も存在することから、ヤマを張る勉強ではなく、網羅的な試験対策が必要となります。
1問で4つの穴埋めがある場合、各解答に点数が与えられます。
例) 1問4つの穴埋め問題で、3つ正解、1つ不正解の場合:3点
出題範囲別の攻略法
出題範囲別の攻略法を簡単にまとめています。
また詳細な攻略法は随時別記事で更新していきます。
インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
目安出題数:2問(1~3問)
審査基準
インテリアコーディネーター誕生の背景となった住まいへの意識変化や住宅・インテリア産業の発展の経過、その後のインテリア産業の進展とインテリアコーディネーターの職域の拡大等に関する基礎知識を有していること。
インテリアコーディネーターという職業がどう誕生・発展し、今に至るかを問う問題が出題されます。
学習のポイントは、『時代感覚と背景を掴む』です。
ゆか座がメインだった日本ですが、昭和30年代(1955年~)に公私室の分離が取り入れられ、「DK型住宅」が供給され始めました。
その後、ゆか座はいす座へと変遷し、部屋の機能も「n+LDK」という間取りへと変わっていきます。
こういった背景で部屋ごとの機能が明確化され、インテリアの役割と人々の関心が大きくなっていきした。
そして、インテリアへの様々な需要が生まれたことで、専門的な知識と技術を有するインテリアコーディネーターが誕生します。
このように、戦後どのように日本が発展し、その影響で住宅、暮らし方、インテリアエレメントの需要がどのように変化したかをポイントとして抑えましょう!
また、環境問題や社会問題が現代に与える問題も出題されますので、時事的な観点もしっかりと持つようにしましょう!
インテリアコーディネーターの仕事に関すること
目安出題数:2問(2~4問)
審査基準
インテリアコーディネーターとしての役割、職能、必要な実務内容・手順および職域等に関する基礎知識を有していること。
インテリアコーディネーターの具体的な仕事の進め方を問う問題が出題されます。
学習のポイントは、『実際の仕事を想像してみる』です。
仕事の流れは、インテリアコーディネーターだからといって特別なものではありません。
顧客のニーズを聞き出し、提案し、具体化、契約、作業、納品、アフターフォローという一般的な流れとなります。
社会人の方であれば、詳細は違えど大体は自分の業務と重ねられると思います。学生の方も、例えば服を買う時の流れを細分化すれば、大体はイメージできると思います。
この単元は、今後インテリアコーディネーターとして仕事をする上で重要になってくる他に、2次試験の基礎になるところなので、しっかりと学習しましょう!
インテリアの歴史に関すること
目安出題数:2問(2~4問)
審査基準
古代から現代に至る日本及び西洋のインテリアの歴史に関する基礎知識を有していること。
日本と西洋のインテリアの歴史について出題されます。
学習のポイントは、『キーワードとして繋げる』です。
西洋の歴史が中心となりますが、聞き慣れない用語や人名が多く出題され、学習がしんどい単元となります。
時代や様式、人名を軸にキーワードをどんどん繋げ、頭に定着させることが重要となります。
また、写真やイラストでもしっかりと特徴を掴むようにしましょう!
参考書だけでなく、wikiなどをみて(試験には必要のない)知識を追加させると逆に覚えたりするのでオススメです!
カウフマン邸(落水荘)などで有名な「近代建築の三大巨匠」の一人、フランク・ロイド・ライト。
日本建築にも影響を与えた建築家ですが、人生は波乱に満ちたものでした。
参考書だけでは人となりまでは分かりませんが、調べると興味深いことも多く、結果として知識の定着に寄与します。
インテリアコーディネーションの計画に関すること
目安出題数:8問(6~10問)
審査基準
インテリアコーディネーションのための基本的な検討事項(生活像、規模計画、寸法計画、人間工学、造形原理、色彩計画、安全計画、性能計画、維持管理)、生活場面の構成手法、リフォームの計画等に関する基礎知識を有していること。
インテリア計画の検討事項について問われます。
学習のポイントは、『寸法感覚を掴む』です。
この単元から一気に出題範囲が広くなります。
モデュラ―コーディネーションなど実際の設計に関する問題も出題され、しっかりとした学習が必要となります。
具体的な数値も覚える必要がありますが、自分の身体を基準に考えると理解度も深くなります。
また家の中で各寸法を実測することで寸法感覚が養われますので、是非やってみてください!
その他、単語を覚える必要もあるので、写真やイラストを使ってしっかりと学習しましょう!
インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
目安出題数:11問(10~12問)
審査基準
インテリアエレメント(住宅家具、造作部品、システム・ユニット製品、ウインドートリートメント、カーペット、インテリアオーナメント等)、各種品質表示、エクステリアエレメント等に関する基礎知識を有していること。
インテリアの各種エレメントについて出題されます。
学習のポイントは、『できるだけ実物で確認する』です。
この単元も出題範囲が広く、また毎年多く出題されています。
インテリアエレメントと一口で言っても種類は多く、また出題される単語も様々です。
できるだけ、展示場やインテリアショップ、ホームセンターに足を運び、実物を触ってみましょう。
金物系(スライド丁番やロータリーキャッチなど)はイラストだけでは動きが分からないので、特にオススメです。
また材質や家具仕上げは2次試験対策でも必要となってくるのでしっかりと学習しましょう!
インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
目安出題数:12問(11~12問)
審査基準
建築の構造・構法、インテリア(床・壁・天井)の構法、造作と造作材、機能材料と構法、建具、仕上げ材と仕上げ等に関する基礎知識を有していること。
建築物の構法や造作などが出題されます。
学習のポイントは、『ビジュアルと単語をしっかりと結びつける』です。
ここから少し専門知識によった単元となり、馴染みのない人には難しいと感じるかもしれません。
しかし暗記で解ける問題も多く、「理解よりも覚える」ぐらいの気持ちの方が良いと思います。
この単元も実物をみることで寸法感などの理解度が深まります。
また、実際の施工現場や施工動画(YouTubeなどで)を観るのも良い学習方法となります!
環境と設備に関すること
目安出題数:9問(8~9問)
審査基準
室内環境(熱、湿気、換気・通風、音、光)、住宅設備(給排水、換気・空調、自然エネルギー、電気、照明、水回り設備機器)に関する基礎知識を有していること。
室内環境、住宅環境について出題されます。
学習のポイントは、『理論の基本的を理解する』です。
この単元も出題数が多く、大事な分野となります。
また環境が注目される昨今では、2次試験の論分で取り扱われるケースも多くあります。
物理化学を専攻してこなかった人にとっては、図やグラフで難しい数字が説明されていると感じる人もいるはずです。
しかし基本となるのは、「暖かい空気の方が軽い」「(蒸気を含んだ)空気が冷やされると結露する」など中学理科の知識です。
慌てず、諦めず学習しましょう!
また住宅設備は、実際のメーカーのHPに分かりやすい説明が書いてあるので、そこから知識を得るのも良い学習方法です!
インテリアコーディネーションの表現に関すること
目安出題数:2問(2~3問)
審査基準
建築等設計図書、二次元・三次元表現技法、CAD表現・レンダリング、プレゼンテーションに関する基礎知識を有していること。
図面・製図技法についての問題が出題されます。
学習ポイントは、『2次試験を想定した学習』です。
製図初心者の方は、初めて覚える単語ばかりかもしれませんが、2次試験で必須となりますので、合わせて覚えるようにしましょう!
出題範囲はそこまで広くないので、コスパが良い単元となります。
問題演習を通して、特に材料表示や略号などをしっかりと学習しましょう!
インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
目安出題数:3問(2~3問)
審査基準
インテリアに関連する建築・住宅、省エネ・環境・リサイクル、高齢者・障害者配慮、品質・安全性等分野の法規制・規格・制度・表示に関する基礎知識を有していること。
建築・商品関連の法規、規格、制度が出題されます。
学習のポイントは、『関連毎にしっかりと学習する』です。
インテリアに関連する法規といっても建築に関わることから消費者関連、環境関連など様々です。
1つの単元としてではなく、「建築関連」「消費者関連」「環境関連」としっかりと分けて学習しましょう!
しかし他の資格試験よりも法規関係の出題範囲は狭く、ここもコスパの良い単元といえます!
まとめ
本記事では、インテリアコーディネーターの1次試験の出題範囲と傾向をまとめました。
インテリアコーディネーターの1次試験は1⃣~5⃣、6⃣~9⃣の単元で大体25問ずつ出題されます。
前半は出題範囲を理解した上で回答する問題が多く、後半は専門性が高まる一方で暗記すれば解ける問題が多いです。
出題範囲は広いですが、過去問演習でしっかりと学習し、知識を深めましょう!
2次試験対策もあるから試験の4か月前から始めるのがオススメぎゃお!